記憶の本棚

・読書感想を中心に映像作品へのコメントなども。

青春デンデケデケデケ/葦原すなお

・なるほど、この時代をすごした人々にとっては自己の経験と照らし合わせて熱くなれるのだろう。

多分この作品は「開いて」いて、読者の経験と呼応することで感動を呼ぶのだ。

・この世代からは少し下る自分にとっては、頭で理解はできても追体験まではできないが。まあ、同世代には音楽で盛り上がっていた連中もいて、彼らには追体験可能か。こちとらもギターは齧ったが、いやぁ、メタル弦は指が痛くてねえ。折角硬くなっても少しギターから離れるとまた皮が柔らかくなって・・・。

・おっと、少し共鳴する部分もあるか(^_^)。

・有名な作品ではあるものの、まあ、小説として高得点が与えられるレベルではないだろう。多分「好」得点な作品。(^^)

六の宮の姫君/北村 薫

これは、ひどい・・・。


・「私と円紫師匠」シリーズ第4作目、なのだが。

・元は作者の学生時代の幻の卒業論文、とのこと。

・本作では本物の「私」の出演は僅かで、ほとんどの「私」は仮面をつけた作者の代演。

・キャラが違う。というか小説ではなく論文なのだ。なんという失敗作だ!

・「夜の蝉」の解説で名作と紹介されていた本作には期待していたのだが、これは明らかな失敗作。著者は自作シリーズに何をしてもいいのか!と憤るのはファンの特権だと思うよ。

・大体読み初めから文体に違和感がある。で、読み進める内にゲッソリする。国文専攻の主人公に関わらせる題材として、自分の卒論テーマを持ち込むという発想は可として、しかし小説が論文になってしまっては駄目だろう。「私」に会いたくて読んだら作者がお面つけて演説してるのだ。

・解説も痛い。これは語るべきものがない作品に付けなければならない解説、の典型と言えるのではないか。感動がないところに名解説もあるまい。

・今までのシリーズが素晴らしい反動で、底抜けにがっかりした。次の「朝霧」に期待したい。

秋の花/北村 薫

・シリーズ第3作。

・本作は長編。初めて人の命が失われた話になる。

・失われた命と生きていく命。円紫師匠の助けがあるとは言え、「私」の真っ直ぐさが一つの命を救うことになるのです。

ミステリーである以前に、一つの小説として完成度の高さに唸らされる。

・シリーズに共通する嫋嫋たる余韻。読み終えた後の心地よい疲労と充足感。皆さんに強く勧めたい

夜の蝉/北村 薫

・シリーズ第2作。

・相変わらず心地よい物語。この本では3本の中篇連作。

・特に前作で不思議な距離感で描かれていた「私」の姉が関わってくるのですが、これがまた感慨を呼びます。

なんだろうなぁ、この心地よさをどう表現すればいいんだろう。

・「私」も「姉」も真っ直ぐな人柄だから、心地良いのかなぁ。

・読んで幸せになる作品です。間違いなーい!

空飛ぶ馬/北村 薫


・加納朋子作品の本家筋に当たるということを聞いて、手を出した。「私と円紫さんシリーズ」

・このデブー作は89年度「このミステリーがすごい」ランキング2位。この年の1位が「私が殺した女/原錙廚覆里世、これの上位にいく作品とはどんなにスゴイものなのか、と思う。まあ「このミス」ランキングが必ずしも私の評価と一致はしないのだが。

・とにかくこれがデビューだというのだから恐れ入る。勿論大学教授として積み重ねたモノがあるからこそなので、そこらの新人と一緒にしてはなるまい。

・「私」の描写が、いい。一応「円紫さんシリーズ」と称されてはいるが、やっぱり主人公の「私」が生き生きしているのが魅力だろう。いい娘なんだこの人が。仲間も個性的で実に羨ましい。

・5本の短編連作の中で、なんとも素敵な「私」が円紫師匠の導きで成長していく。うーん、素晴らしい。

・面白い本ない?と聞かれたら、これは貸し出し候補のトップにくるなぁ。

北村先生との出会いは本年の大収穫です。


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・で、これを読んだ後だと加納さんの「魔法飛行」はどんなもんだろうと思ってしまう。「ななつのこ」はいい。だが、「魔法飛行」はパクリと言われかねない。尊敬する作家の作品を写した習作、というならともかく、自作として発表していいものだろうか。

七つの危険な真実/赤川次郎 ほか

・こちらも北村薫さんで購入した短編集。

・既読の宮部さんの「返事はいらいない」やっぱり上手いなぁ。

・乃南さんの「福の神」。途中まで、「なんでこのタイトル?」との疑問が綺麗にまとまる。

・この本はアムネスティ・インターナショナルの活動に賛同して企画され、印税の半分が寄付された、との由。本書末尾の対談で語られるアムネスティの主張は、多分端折られている事もあって全面的に賛同はできないのだが、拷問、虐待反対には同意。

・ただ、そういう趣旨と収録された作品内容との関連がイマイチ不明、ではありますな。

推理短編六佳撰/北村薫・宮部みゆき 選

・平成七年度「創元推理短編賞」応募362編中、最終選考に残った6編。

・いずれも受賞には至らなかっただけあって、やはり各々喰い足りない所がある。こういう本を出すのは「受賞まで行かなかった作品って?」という買う側の興味喚起が狙いであって、まあ売り手側の企画の勝利ではあるのだろう。

・「憧れの少年探偵団」は、二十面相とか絡ませるのが台詞の上でだけなので不自然でとってつけた印象になる。ストレートに少年達の推理物にすれば良かっただ思う。作者が思ってしまったことを無理矢理直接に作品に書き込まなくても、それを意識した筋立てにすればいいのだとおもう。ただ、少年少女の頑張る話は好きなので、私的にこの中で得点は高い。

・「象の手紙」は、着想はいいので、話の展開がもうちょっとスマートだと小洒落た出来になったと思う。

・実はこの本の読み場は北村・宮部両大家の解説対談で(笑)、ここはその場にいて聞いている気分になれる。という意味で両作家のファンには嬉しいですね。

七つの黒い夢/乙一 ほか

・北村薫さんで検索して購入した短編集。
・ダーク・ファンタジーというテーマ。

・乙一さんの「この子の絵は未完成」はダーク、じゃないよなあ。むしろ綺麗な小名作だとおもう。

・北村さんの「百物語」、おっかないー!

狐笛のかなた/上橋菜穂子

・上橋さんの守り人シリーズの続篇の入手がまだなので、こちらをチョイス。

・小夜と小春丸と野比。それぞれに悲しい背景を持つ男女の関わり。

・舞台はいずことも分からぬ架空の国。イメージとしては平安後期の日本ではあるけど。とにかく舞台設定と描写が確かだ。「こういう世界」というのがきちんと作者の中に作られているから、あとはキャラクターを描写する中で世界が立ち上がってくる。

・「児童文学」という範疇に分類されるとは言え、しかしその質はきわめて上質。このあたりは解説の宮部さんに強く同意。子供の頃からこういう本に出会えば、皆本が好きになるんじゃないかなぁ。

・終章、「むごいことだ」と呟く小春丸に、異議をとなえる大朗。その事の意味を鮮やかに最後に描写してみせる作者の手腕に感服。

・美しい物語です。

掌の中の小鳥/加納朋子

・登場人物が男女悉く賢い。

・全5話の短編連作で、加納さんの織り成す物語の美しさは相変わらずだ。徹底して人工的に美しい出来を、

途中までは
 楽しめる。


・あまりにも美しくて、5作目にしてそれに 「中った・・・」

いっくらなんでも作りすぎだろう。こうも負のない世界が続くと、実世界の混沌と比しても 「CP対称性の破れとはこのことか!」【←意味不明】 と感じてしまうのは、多分に読み手に問題が多々ある。

・出来るだけ作家の作品は発表順に読むようにしているので、今後読んでいく加納さんの作品がどう変わっていくかは興味がある。

・本作は、登場人物が名探偵だらけの作品、というところだろう。嘘臭い美しさを、それと知って楽しむべき作品ではある。

・合成着色料の取り過ぎは健康に宜しくないと思うね。肉体にも精神にも。

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結戸 要

結戸 要

趣味:読書、と言いながらここ数年は読書量が落ちていました。知人の読書家に触発されて、ブログに感想を記録していこうと思います。結構節操がないので、ジャンルが飛び回ると思いますが、お目に留まれば幸いです。

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