記憶の本棚

・読書感想を中心に映像作品へのコメントなども。

おいしいコーヒーの入れ方? 聞きたい言葉/村山由香

・一年1冊、この時期にリリースされるシリーズ。一年待って2時間持たないんだからなー(苦笑)。またシリーズ読み返すか、頭っから。

・語弊を恐れずに言えば、相変わらず、登場人物は男も女も読者にとって「都合のいい存在=理想像」。でもねぇ、これがいいんだよなあ。

・料理上手な、意地っ張りの男と、ふわふわしているけど芯が強い美女。相思相愛の二人がお互いを思いやる心が、時にすれ違ったりして・・・・・。

書いてて恥ずかしくなってきた(^^;)。

・男の、意地と優しさを、ちゃんと受け止めてくれて、それでも時にポツリと「言葉」をくれるヒロインは、理想、だよな。

・このシリーズについては、もう取り込まれちゃってるんで、ま、読んでください。この作者の他のシリアス系統の作品とは違ったホンワカ感に癒されましょう! わははー。

輝く日の宮/丸谷才一

・作者が才人なのは疑いがない。
・多分、途中の戯曲様式もきちんと意味があるのだろう、とは思う。

・主人公と紫式部を重ね、少女期の無題にして失われたつたない物語と、「かかやく日の宮」とを重ねる。そして、終盤、白昼夢の中で(それ故に解釈を固定しないこととして)図式を読者に提示するところなど、上手い!美しい!と思う。

・ただ、これはあくまでも読者の好みにはなるけれど、もうちょっと表現的に刈り込んでも良かったのではないだろうか。戯曲部分とか、各年の出来事の羅列とか、過剰なアクセサリーに思えて仕方ない。

・それは読者としての能力が低いからなのだろうか。ちょっと自信がない。

・「かかやく日の宮」が伝わらなかったとして、そこには紫式部の意思あるは是認があっただろうことは想像に難くはないですね。

裏庭/梨木香歩

・本格的ファンタジー、というものはどのようにも読み込むことができ、なぞらえることができるものだと思う。

・裏庭とは何か。心の傷を癒す場所? その存在が、逆に人の「心の傷」を照射してくるけれど、癒しなどという予定調和など用意されているようには思えない。

・植物の栄養の話と心の有り様との関連とか、個々の要素を何かに比定することは可能だ。だが、そうした作業がこの作品を手に入れることにつながる、と明言は、できない。

・例えば「ブレイ・ストーリー」に比べれば、やはり読者を選ぶ作品だと思う。だがそれ故に、その「鏡」を潜り抜けた読者は、強く惹きつけられる作品なのだ、とも思う。

・友人に見境無く勧められる話、ではない。やはり読み手を選ぶと思いますね、この作品・作者は。

・とは言え、作中に魅力的なセンテンスが沢山出てきます。冊子を作るなら、表2に借りたいようなものが沢山。

沙高楼綺譚/浅田次郎

・登場人物がそれぞれに秘密の話を語るという形式。

・「小鍛冶」:日本刀という題材が見事に生かされている。
・「糸電話」:落語的オチがかえって怖さを増幅させる。

・「立花新兵衛只今罷越候」:本書5話の中で、もっとも読者として感心した。途中で話の展開が読める、というか明らかに作者に読まされている。その自覚がありながら、破局に向かう物語

を、手に汗握って読み進めざるを得ない。

まさに「映画鑑賞」の醍醐味の中に取り込まれてしまうのだ。コワイねぇ、上手いねぇ。

・「百年の庭」:ヒトゴロシの動機というのは、殺人者当人にとっては当たり前すぎるものなのだ、ということか。
・「雨の夜の刺客」:作者自家薬籠中のヤクザ話。豪快な話の展開が凄い。

・短編集を作る題材で、こういう洒落たシリーズにするところ、編集側の発案なのだろうか。

・続編「草原からの使者−沙高楼綺譚」も楽しみである。

打たれ強く生きる/城山三郎

昭和58年5月〜12月に日経流通新聞に連載されたエッセイを中心に。

小説家として過度の装飾を嫌う氏の文体で、かくも短いエッセイとなると、読後感もまた淡白なものになる。新聞掲載時点では、記事の中の息抜き・オアシスとなるだろうが、さて、それだけを纏められたとなると、。

ビジネスマンが読んで、ちょっと賢くなった気にさせる、というのが重要な役割であった訳で、なるほどそれは達成している。

ただ、これを本棚に並べておく、というのはちょっと私的には辛いかな。誰に見られる訳でなくともね。

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結戸 要

結戸 要

趣味:読書、と言いながらここ数年は読書量が落ちていました。知人の読書家に触発されて、ブログに感想を記録していこうと思います。結構節操がないので、ジャンルが飛び回ると思いますが、お目に留まれば幸いです。

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