記憶の本棚

・読書感想を中心に映像作品へのコメントなども。

ぼくらの心霊スポット/あさのあつこ

・児童文学に造詣深いあさのあつこ先生の、まさに中核的作風といえましょう。

・するする読めて、面白くて楽しくて美しくて少し悲しかったり。いいよなぁ、少年少女にはこういう作品を沢山読んで、豊かな人間に育ってほしいとつくづく思います。

・良作。

・福音の少年/あさのあつこ

・あさの作品にはこんな作風もあるのか、と驚く。

・いやあ、暗い、重い。ダークな展開で精神的体力のない時には手を付けると辛いかも。

・但し、中核の二人の少年の関係性は、実に興味深い。特に同◎誌即売会方面に出没する本読みの女性に読ませてみたい。

・あさの先生の作風の幅広さに驚かされる佳品。

バッテリー/あさのあつこ

素晴らしい!

・10年掛かった大作にして評判の話題作。これをアマノジャクしたら生涯の損。

・少年達の描写たるや、まあ、もう、あらあら。野球を題材にしてはいるが、野球詳しくない女の子でも十分に楽しめます。何しろ登場人物全てに血が通っている。流石は私的三大女流作家でありますケロケロロ。

手放しで大推薦します。

・特に青波が、すげー可愛いんですわー。

・あと思わぬ拾い物は三浦しをんさんの解説。本業の方より数段上(すげー失礼)な解説内容に驚く。もしかして三浦さんを見誤っていたのだろうかー。

凶笑面/北森鴻

・蓮丈那智シリーズ。

・名探偵&助手形式を忠実に踏んでの作品方法は手堅い、と同時に、やっぱり作者の「頭の良さ」が、それ自身でとどまっている感じがぬぐえない。

・「狐罠」の長編形式とは違い、短編連作なので、一層その感じが強くなるのだろう。長編ですら塗りの薄い人物造形、短編では塗ってあるかすら疑わしい。

・それでも、作者の頭の良さを引き写したような主役の造形は、むしろこの形式では長所となっているようにも思える。ただなぁ、それが「魅力」とまでは感じられないんだよなぁ、やっぱり。

・やはり作風の合う合わないはある訳で、北森作品は、これで卒業の予定です。

日本史集中講義/井沢元彦

・日本史専攻の身に言わせてもらえれば、学問としての史学なんてそんなに面白いものじゃぁありません。テーマが細分化されるほど、うんざりする部分がありますな。高校までの日本史と大学でのそれは、まるで違うので、歴史好きの高校生には、史学に進むか文学へ進むかはじーっくりと考えて欲しいものだと思います。

・この本の内容自体は、私的にはそんなに驚きの事実、ではないのですが、昨今の大学生のレベルを漏れ伝え聞くところ、このような本をテキストにして、日本史概説などで基礎的訓練を施すべきなのではないか、と思われます。

・こういう思考方法をベースの一つとして持つべきだと思うのです。

・オススメ、しましょう。

天国までの百マイル/浅田次郎

・不良息子が瀕死の母親を病院に搬送する話。

・端的に書けばそういう話なのだが・・・・。

・なんというか、泣けます。泣いちゃいます。口を一文字に閉じて、歯を噛み締めて生きる人間の姿に。

・あのねぇ、泣き系統の浅田作品のことを「あざとい」と評する人がいるんだけど、それはちょっと違う、と思うんだよね。上手く表現できないんだけどさ。

・だから、「良かったよね」「いいよねぇ」と語り合える人とは友達になりたいし、「あざといじゃん」という人とは他人でいたいよね、という話。

・病院の先生がまた、カッコイイんだぜ!

憑神/浅田次郎

・貧乏神、疫病神とくれば・・・・。

・前半、落語みたいな話から、窮地に追い込まれた故に、その人間の本当の道が見えてくる、という展開に。

終盤は浅田節全開。

・とくに終盤20数ページの爽快感、浅田作品の魅力全開〜。

・何か書くとネタバラシになりそうなので、自粛。未読の浅田ファンは、読んで泣き笑いしましょう!

終戦のローレライ/福田晴敏

・「亡国のイージス」が好きで、追ってみた福田作品。

・前半の手に汗握る「しつこいアメリカ人」との攻防が一山。ここで十分に緊迫し、後半へと続く。

・後半、絶望的な状況での大活劇。伊507の奮闘具合は凄まじい。

・それがいわゆるアニメ的獅子奮迅となり、そこで付いていけるかどうかがまず大きな篩になるだろう。

・私は「別の惑星のお話」程度に捉えた上で、十分に展開を楽しめたが、現実の二次大戦秘話、みたいなものとして正面から読んだ人には辛かったろうな、とは思う。

・また、戦後後日談の存在についても賛否あるだろう。

・私は、ここは作者の正直さと親切さが出たものだと思う。

・ないほうが、作品としては美しいはずだ。だが、作者は書かずには居られなかった。この「居られなかった」感はよく解る気がする。

・モチーフは「椰子の実」。即ち、ナーバルであり、伊507であり、パメラであり、パメラの孫娘へと続くもの。

・そしてその「椰子の実」を守りつづけた男達を描き、示される両者の永遠の関係性。

・それを明らかにしたいが為の、念を入れた戦後描写でもあったのだろう。

・作者にとっての歯噛みしたいほどの「思い」が、作品単体の纏まりの良さをも投げ捨てての「終章」だったといことなのだ、と思う。

・私的に、「佳品」と評価します。

狐罠/北森鴻

・新作家を開拓しようと、某所で紹介されてた北森作品を入手。冬狐堂シリーズ

・うーん、作者が頭いい人なのは判る。

・ただ、登場人物の「設計」具合が鼻につくんだなぁ。方眼紙組み立てて人形作って、色塗ってあるんだけど、その着色具合が薄いので下地の方眼が透けて見える、という感じ。

・人物の行動に、人格からくる必然性という感じを受けない。設定通りに動く人形、との感じが抜けきらない。

・筋立て自体は二転三転して、結末まで読み通させるものはあるが、これは再読しない、な。

・評価厳しくてごめん。

内なる宇宙/ジェイムズ・P・ホーガン

・ガニメデ3部作から12年も経って追加されたシリーズ第4部。

・痛快に終わって「3部作」と賞された名シリーズの続編。

・舞台はやや退行気味のジェヴレン。新興宗教内の宗派抗争みたいな舞台設定にしっくりくるまでやや時間がかかる。勿論、それは読み手としての能力不足である可能性が大きいのだろうが。

・観念世界と実世界との驚異的な関係の設定。この作者の頭脳の柔らかさはどうだ。星雲賞受賞、もって然るべし。

・本当に、ホーガンは凄いですよ。うんうん。観念世界と実世界との間の根本的な差異について、まずコンピュータが驚嘆するシーンがあるのですが、ここで作品の要諦が示されて、読者にとって内容把握がしやすくなります。

・途中、辛いなと思っても、読み終えればさすがのホーガン作品、と感銘してもらえることでしょう。

 | HOME |  »

Calendar

02 | 2008-03 | 04
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

Appendix

結戸 要

結戸 要

趣味:読書、と言いながらここ数年は読書量が落ちていました。知人の読書家に触発されて、ブログに感想を記録していこうと思います。結構節操がないので、ジャンルが飛び回ると思いますが、お目に留まれば幸いです。

お小遣い稼ぎ!
スマホでお小遣い稼ぎ!
DTIブログポータルへ
このブログを通報
Report Abuse
利用規約

Monthly

Categories

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks