記憶の本棚

・読書感想を中心に映像作品へのコメントなども。

マップス シェアードワールド/秋津 透ほか

・著名な作家を集めた原作漫画の小説版外伝といったところか。

・早い話が商業版ファンジンですな(笑)

・手馴れたライトノベルの名手が集まっただけあって、ファンにはするすると読める。

・各作品、色合いが異なるが、それぞれになかなか。

・私的には、やはりご存知キャラが期待通りの活躍をする「迷子の宇宙戦艦」が原作準拠の方針丸出しでいっそ快い。

・各扉、原作者の描き下ろしで、これが原作ファンにはまた贅沢な趣向。

・正直、原作漫画「マップス」知らないと読む意味はないけど、そんな人にはぜひともオススメしますよ「マップス」。うふふふふ。

蒲生邸事件/宮部みゆき

・再読。

・記憶力が不自由なので、よく既読本の内容を忘れる。本作も、いい話だった、という感触だけが残っていて、筋立てをすっかり忘れていた。

・おかげで(?)楽しく読めた。ああ、やっぱりふきには。

・歴史なんかに興味のない主人公が巻き込まれた時間転移。その先でまた謎の事件がおきるという凝った筋立て。SFで推理モノで、そんでもってちょっと悲しくて、でも美しい物語。

・黒井も平田もそれぞれに立派な生き方だったとは思うな。

・そして、ふきに見守られた孝史は、これから父と同様に、立派に生きていくのだろう。

・良作の例に漏れず、ラスト一頁が美しい。

あかね色の風/ラブ・レター/あさのあつこ

・少年少女書かせたらやっぱりいいやあさのさん。

・子供だって、一人の人間なんだよ、という作者の視線が快い。

・初期のあさの作品だが、既にちゃんと作家の個性が確立している。

・両作品とも、ラストの描写が特に好き。

誰か Somebody/宮部みゆき

・杉村三郎シリーズ第一作。

・主人公の周りの人物の造詣がしっかりしていて、それがまた主人公に一層の生命力を与えているようだ。

・終わり間近に明らかになる一つの事実。どうしようない低レベルな男と女。こんなに(作者に)都合よくダメカップルが生まれるのか、という疑問はちゃんと「実は初めてではない」と説明される。作者上手い。

・それにしても三郎の孤独なこと。だがその孤独は、妻子の存在で十分に癒されている。だからこそ、読み手もふさぎこまずに済むのだ。用意された救済。

だから三郎に同情なんかしないんだい!
(↑ 独り者の焼餅)

夏休み。/あさのあつこ ほか

・「ピュアフル・アンソロジー 夏休み。」

・あさの作品を追い掛けて購入したアンソロジー集。

・夏休みを題材に短編6本。お目当てのあさの作品は、「ぼくらの心霊スポット」に通じる趣向。期待に応えてくれたが、期待を超えるものではない。この辺り、手馴れた児童モノ、といった評価か。

・他作品では梨屋アリエさんの「夏の階段」、前川麻子さんの「川に飛び込む」が良かった。

重力ピエロ/伊坂幸太郎

・軽妙な文章は相変わらず。

・特に会話の見事さが伊坂作品の特長だが、その会話の見事さ故に、物語が一層際立っている。

・兄弟であることの全肯定。これが背後にちゃんとあるから、読み手はどこまでも引っ張られるのではないだろうか。おかしくて切なくて、でも沈み込む暗さはない

・家族の愛、と言葉で言うのは簡単だけど、これほど濃密で強靭な親子兄弟があるのだろうか。読み手としては羨望しかない。

・伊坂作品への新たな感慨。こりゃ、もっと追い掛けたくなったぞ。

神様がくれた指/佐藤多佳子

・不器用な二人の男の邂逅の物語。

・一人はスリで一人は占い師。それぞれに欠落した部分を持ちながら、それが出会いの中で埋められていく筋立て。

・実に不器用で、それでいて不思議に格好いい話だ。不器用な癖に誠心誠意な二人の野郎痺れる

・なんか羨ましい二人だと、切実に感じた。本当に、佐藤作品は外れがないなぁ。

・坂田靖子さんの解説も素晴らしい。

日本史の叛逆者/井沢元彦

・本能寺で暗殺されなかった織田信長のその後。日本統一までの各地の大名の動向描写が楽しい。

・シミュレーションとして大筋の予想は難しくはないが、登場武将の物言いがさもありなんというところ、小説の描写としてよく出来ている。

・長宗我部はこんな役回りだよな、本史的にも。

・肩の凝らない架空戦記みたいなもんです。軽く読めます。

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結戸 要

結戸 要

趣味:読書、と言いながらここ数年は読書量が落ちていました。知人の読書家に触発されて、ブログに感想を記録していこうと思います。結構節操がないので、ジャンルが飛び回ると思いますが、お目に留まれば幸いです。

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