記憶の本棚

・読書感想を中心に映像作品へのコメントなども。

FINE DAYS/本多孝好

・以前読んだアンソロジーから気に入った本多さんの本を数冊未読本棚に補充。

・ちょっと不思議・オカルト等の味付けがある各作品。これが本多さんの味なのか、この本だけの特色なのか。

・4作の最後に「シェード」を置くことによって、後味の良い本になったと思う。構成の勝利。

・文体としては変に甘いこともない、サッパリカッチリした印象。第3作までが、必ずしも大団円という展開ではない分、「シェード」で救われた気がする。

・美しい作品の、美しさを素直に鑑賞できる。

話と話中話の関係はこうあって欲しいと、思う。

自分の好みとしては、ね。

文章読本/丸谷才一

・久しぶりに小説ではない。タイトル通りの本です。

・氏の知識の広さを満喫。


・もちろん、文章技術を必要とする人間にはこの手の本は実はあまり意味がない。結局の所、文章はセンスで、それを磨くには読んで書くしかないのだ。そこが理解できていない人間には「文章読本」なんて意味がない。

・よって、ある程度読み書きが好きな人間が楽しめる種類の本、という訳で。

・小説と違って、述べられていることを論理的に理解しようとする分、読み進めにくくはある。途中、修辞技法を名称で分類例示してみせるのだが、まあやっぱり、そういう分類にはあまり実際的な意味はないと思う。

・本読み、文字書きは、実行実践していくなかで自分を造っていくしかないのだから。英文法学んで英語が話せるようになるわけではない、ということ。

・まあ、勿論丸谷氏はそんなこたー百も承知のことなのですが。(^^)

魔法飛行/加納朋子

・「ななつのこ」の続篇。我らが駒子ちゃん、仲間とともに依然魅力的。

・なんというか、未熟と聡明とは同居するのだなぁ、と羨む。

・但し本作では瀬尾さんがあまりにもスーパーマンすぎやしないか?いくらなんでも絶対すぎるような気がする。

・但しあくまでも主人公は駒子ちゃんなのだ。次のシリーズ「スペース」の入手が待ち遠しいよ

「ABC」殺人事件/有栖川有栖 ほか

・クリスティの「ABC殺人事件」をモチーフにしたアンソロジー。

・特に貫井徳太郎氏の「連鎖する数字」が良かった。なんたって切れ者の先輩の「見事な推理」が全然的外れなところが素敵。名探偵物への痛烈なアイロニーになっている。

・加納朋子さんの「猫の家のアリス」、相変わらず穏やかなミステリーだ。タイトルにも関わらず、殺人すら起きないのがまたオシャレだなぁ。

ななつのこ/加納朋子

・私、加納さんに惚れました。(^^;)

・『月曜日の水玉模様』で気に入って追跡開始。

・文章のリズム、というものがあって、例えば句読点の打ち方などで合う合わない、というものがありますが、加納さんの文章は読み手の私にストライク。

・本作は、タイトルからなんかおどろおどろしい話なのかと構えたのですが、実はなかなかオシャレな短編連作。

・恐竜が保育園に飛んでいく話で、「じゃあ、あの人はあの人なのではないか」と気付くのですが、ま、それが話の魅力を減じることにはなりません。

・それに加納さんのお話って、どこかでロマンチックなんですよね。この「優しさ」が好き。全体に品もよく、誰かに勧めるにも安心安心(^^;)。

・という訳で、大量に加納作品を購入して未読本棚にスタンバイさせました。

闇の守り人/上橋菜穂子

・女用心棒バルサ、故郷に帰る。

・前作で触れられた「育ての親」の悲劇の真相が暴かれるのですが。

・クライマックス、会話のない会話、とでもいう描写が圧巻。

・本当にキチンと世界設定が出来ているので、読み進めていく中で、読み手の中に世界観が浮かび上がってきます。

うひょー、バルサかっちょえー。で、あります(^^)

・早く次が読みたいー。

精霊の守り人/上橋菜穂子

・名作の誉れ高いシリーズに手をつける。
・うーむ、これは面白い!

・当初はひらがなが多い児童向作品として発表されたとのこと。しかし児童向けだからいい加減なものでいい、という訳ではないのだ。むしろ児童向けこそ、丹念に緻密に作り上げられるべきなのだろう。

・世界描写が緻密。クライマックスで盛り上がったあとの話も余韻がある。

・この後、バルサとチャグムの話が続いていくとのことで、早速チェイスを開始することに決定。

・バルサとタンダはどうなるのかなぁ。興味津々。

Friends/江國香織ほか

・同じく女性作家アンソロジー。
・やはり女性作家には女性作家の傾向があるのか。いやまて、ある程度似た作家さんを集めてアンソロジー編集していれば、それは当然か。

・この本では江國さんの話しは面白い。島村さんの話は切ない。で、唯川さんの話は星新一氏のショートショートみたいなオチ。横森さんの話は好みだったな、と。

・アンソロジーで色々な作家さんを齧って、追いかける人を決めるというのがこういう本の効能だと思うのだが、ま、今回は参考資料、ということで。

LOVERS/江國 香織ほか

・以前読んだ男性作家アンソロジー『I LOVE YOU』のシリーズ企画で今度は女性作家のアンソロジー。

・見事に対照的。少なくともこの本に採られた作品は、みなどこか週刊誌の記事的な感じを受ける。ありそうにない設定から物語が展開していくのだが、そこまでブットバさなくてもいいんじゃなかろうかと、思うとこもある。

・島村洋子,下川香苗,倉本由布さんの各作品が好み。逆に江國香織,川上弘美両氏の作品は肌に合わなかった。

エンジェルエンジェルエンジェル/梨木香歩

・祖母と孫娘の話が、過去と現在とで展開される。
・物語自体が二重構造。最後に木彫りが現れるのも細工の中から。細工づいている。

・梨木さんの作品らしい、不思議な因縁話。

・「からくりからくさ」ほどの分量があると息苦しくなる濃密な梨木世界も、この分量にまとまると読み手としては楽、だな。

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結戸 要

結戸 要

趣味:読書、と言いながらここ数年は読書量が落ちていました。知人の読書家に触発されて、ブログに感想を記録していこうと思います。結構節操がないので、ジャンルが飛び回ると思いますが、お目に留まれば幸いです。

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